不要な住宅を相続した際や新しく住み替えるケースなど、解体工事が必要となる場合は珍しくありません。解体工事を行う際は、作成された契約書をよく確認することがとても重要です。

本記事では、解体工事における契約書で確認するべきポイントについて、詳しく紹介します。契約の流れや契約書の重要性についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

解体工事の契約書で確認するべき8つのポイント

解体工事も一般的な建築を目的とした工事と同様で、施工会社と契約を結んだうえで実施してもらいます。契約書を施工会社に作成してもらいますが、この際に内容についてよく確認するべきポイントが8つありますので覚えておきましょう。

実際に行われる工事内容のチェック

まずは、根本的な部分として実際に行われる工事内容について確認しましょう。実施される工事についての契約書なので、そのことについて記載されているのは当然ですが、より詳しい具体的な部分について精査しなければいけません。

たとえば、建物や住宅をすべて解体してしまうのであれば、大きな問題はないでしょう。一方で、建物の一部のみの解体のように、作業の範囲が限定されているのであれば、それについて詳しく確認する必要があります。

  • 建物や住宅のうち一部のみを解体するケース
  • 外構を解体するが一部は残して解体するケース
  • そのほか作業範囲について細かく決められているケース

これらのように、作業範囲が限定されるのであれば、契約書のなかでより具体的に明記されていなければいけません。口頭での確認になっていると、工事が終了してからトラブルにつながる恐れがあります。

また、解体工事は解体する部分だけでなく、残す箇所についても明確に記載されている必要があります。

解体工事にかかる費用のチェック

続いて、解体工事を行ううえで実際にかかる費用についてもチェックしましょう。

解体工事にかかる費用は、事前に見積もりや打ち合わせのなかでおよそどれくらい必要か提示されていることが殆どです。しかし、実際にかかる費用は契約書に明記されている金額です。聞いていた話と相違がないか、納得できる説明がされているか、工事を行う前に必ず確認しましょう。

工事にかかる費用に加えて、支払うタイミングやその方法についても合わせてチェックが必要です。基本的に工事にかかった費用を支払うタイミングは、あらかじめ期日を施工後の日程から決めておきます。

加えて、一括払いまたは分割払い、さらに支払回数についても、双方の合意のうえで契約書に明記していなければいけません。

工事にかかる費用は高額になりやすく、基本的には口座振り込みとなります。振込先となる口座や振込手数料をどちらが負担するのかなど、より詳細な箇所まで踏み込んで確認しておけば、後から余計なトラブルの発生を防げるでしょう。

かかる工期について

実際にかかる工期についても確認しましょう。契約書のなかでは、工期の目安が記載されています。あくまでも目安であり、工事の開始日といつまでにすべてを完了するのかその期間を見てみましょう。

住宅や建物、土地は別々に扱うことが多く、たとえば売却や建て直しをするのであれば、その後のスケジュールも関わってきます。解体を担当する業者は、工期の目安をあらかじめ定めておくべきです。

契約書のなかで工期について細かく約束されていれば、万が一に大幅に遅れてしまった際に損害賠償請求が行えます。もし、口約束で何日までにと話されていて、契約書のなかで工期の目安が明記されていないのであれば、どれだけスケジュールに遅れがあっても約束を証明できません。

損害賠償に関する取り決め

解体工事を行うと、何らかの事情で近隣住民や通行人に損害を与えてしまう場合があります。決してありえない話ではなく、死に至ってしまうような事故が発生した深刻な事例も存在します。

人に対する事故のほかにも、隣家の敷地や住宅、ブロック塀を損壊させてしまうといったトラブルを起こすことも珍しくありません。

基本的に、解体工事のなかで第三者に対してトラブルや事故を引き起こした際は、請け負った業者側が責任を負います。ですが、万が一の事態を考えると、トラブルや事故の際に業者側に責任があることを契約書のなかで明記されているか確認したほうがよいでしょう。

工事完了について

一般的に引き渡しと名づけられている項目でもありますが、その工事の完了について、どのように定義されているか確認してください。

契約書のなかで工事完了について明記されていないと、解体が終わっていなくても業者は作業が完了したとしてくる恐れがあります。

住宅や建物を完全に解体するのであれば、現場が更地になったうえで引き渡しが済んで工事完了となります。一部を残して解体するのであれば、それについても詳しく明記されているか確認しましょう。

合わせて、引き渡しのタイミングについても確認が必要です。日付が明記されていれば、最終的に工期が遅れたのか証明できます。

瑕疵担保責任

住宅や建物の建築または売買などを行った際、認知されていない瑕疵が発生した場合、建設業者や前の持ち主がその責任を負います。これを瑕疵担保責任といいます。

解体工事においても、瑕疵担保責任は発生するのです。発生した廃棄物が完全に撤去されておらず、地中に残っているようなことがあれば、瑕疵担保責任に問われます。解体工事では瑕疵担保責任が発生するケースは稀ですが、契約書に明記されているか確認しておくべきでしょう。

天災または不可抗力による被害

解体工事は、基本的に屋外で行われます。天候によって何らかの影響が発生することは珍しくありません。地震や台風によって工事がスムーズに進められなかったり、工事が中止になったりすることもあるでしょう。

こういった場合の工期に見直しや損害負担などに対し、業者が想定している対応について契約書に明記されているか確認しましょう。天災だけでなく、何らかの不可抗力による遅延や損害が生じたケースも同じです。

契約によって発生した紛争について

一度契約を締結したあと、何らかの理由によって解除を申し出たり、契約違反が発生した際の事項の解決だったりなど、これら紛争について契約書に明記されているか確認しましょう。

弁護士や解体工事における紛争を担当する窓口に関する連絡先を明記しておくのが、一般的です。万が一の事態が発生した際に必ず相談することになるので、連絡先や名称をよく確認しておいてください。

解体工事における契約の流れ

実際に解体工事における契約がどのように締結されるのか確認しましょう。あらかじめ流れを理解しておけば、契約書の内容を確認したり、気になった部分について聞きやすくなったりします。

【約款部分の説明】約款部分は事前に送付してもらう

最初に、約款部分について解体を担う業者から説明してもらいます。約款部分は、専門的な用語が多く登場するため、慣れていないとスムーズに内容を理解するのは難しいかもしれません。説明を受ける前に業者に依頼してあらかじめ約款部分を送付してもらって確認しておいてもよいでしょう。

【工事内容の確認】工期・見積もりに相違がないか確認

続いて、工事内容についての確認を行います。基本的には、契約書の確認をしている段階で先に現地調査や見積もりの提示などが済んでいるはずです。先に提示されていた工期や金額は、その段階における目安であることを覚えておきましょう。

契約書に明記されている内容が、最終的に決められたものです。事前の打ち合わせや工期、見積もりとの相違がないか説明を求めましょう。

業者側に悪意がなかったとしても、契約書の中身に間違いがあると、後からトラブルにつながってしまうかもしれません。締結したあとでは契約の変更に多くの手間がかかるので、念入りに確認をしてください。些細なことでも気になることがあれば、その場で聞いてみることが重要です。

【契約書に調印・締結】調印前に念入りに確認

確認が済めば、契約書に調印して契約は締結されます。契約が締結すれば、実際に工事を行うために動き始めます。施主としては業者に任せることになりますが、それまでの1つの山場として契約書の確認は念入りに行うようにしましょう。

契約書なしに解体工事は行わないこと

契約書を用意せずに解体工事を行ってはいけません。施主としては業者側の人の良さに信頼を置き、さまざまな口約束を結んでいたとしても、口頭だけの話だと証明が不可能です。本当に約束していたことでも、証明できなければ正当な請求ができなくなってしまいます。

何があっても、契約書は確実に作成してもらうようにしてください。契約書の内容やそれに対する説明に納得できないのであれば、依頼する業者を変えることも検討したほうがよいでしょう。

なお、以下のような小規模な解体工事など、契約書を結ばないのが一般的とされるケースもあります。

  • ブロック塀
  • カーポート
  • 物置

解体工事を依頼する際は契約書の確認が極めて重要

解体工事では、比較的多めの費用が発生します。加えて、住宅や建物といった資産になるものに関わることですので、契約書の内容については慎重に確認しなければいけません。

島根県、鳥取県の解体堂では、住宅や空き家の解体、フェンス工事、ブロック塀の撤去といった外構解体を承っております。無料での見積もりや下見を行いますので、解体を検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。