解体工事業者は優良な業者を選ばないとトラブルが発生したり、法外な金額を請求されたりする可能性があります。安心して解体作業を依頼するためには、業者の選び方と注意点を知っておくことが大切です。

本記事では、優良な解体工事業者の選び方を徹底的に解説します。ぜひお役立てください。

解体工事業者を気軽に選ぶのが危険な理由

家屋や倉庫など、個人が所有者となっている建物の解体では、家主様が個人的に解体工事業者を探すケースが多いです。知名度や安さだけで業者を選ぶと、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうことがあります。

残念ながら解体工事業者には悪徳業者と言われる存在が少なくありません。そうした業者は不法な行為を働いたり、トラブル時に音信不通になったりするだけでなく、法外な料金を強引に請求することもあります。

どこも一緒だろう、ここが一番安いからと安易に選んでしまうと、このような危険な業者を引いてしまうかもしれません。

金銭的な損や近隣とのトラブルを起こさないために、時間を掛けてでもよい業者を探すことが大切です。

【解体工事業者の選び方】10のポイント

優良な解体業者の選び方には10のポイントがあります。参考にしつつ、ご自身が信頼できると感じる業者を選んでください。

重視することと業者の強みがあっているか

解体工事業者の特徴はさまざまです。

  • 地域密着で迅速な対応の業者
  • 全国対応ができる業者
  • 安さが売りの業者
  • 特定の構造(一軒家、マンション、木造、RCなど)が得意な業者

など、強みも大きく違います。

ご自身が重視したい点や建物の構造と、強みが合致している業者を選ぶと満足度の高い結果を得やすいです。とくに得意とする建物は、解体費用・工事期間にも影響することがあります。できるだけ解体する建物に強い業者を選びましょう。

作業費用が相場から大きく外れていないか

解体費用の相場を知り、大きく外れていない業者を選ぶことも重要です。一軒家の相場はおおよそ以下のようになっています。

構造

坪単価

木造

20,000円~55,000円

鉄骨造

30,000円~60,000円

鉄筋コンクリート(RC)

35,000円~80,000円

[参考]家の解体費用の相場はどれくらい?費用を抑えるポイントや補助金などについても紹介

実際の作業料金はこの金額に加えて、立地・築年数・隣家との距離・周辺の道路環境など、さまざまな条件が加わって決まります。参考価格として知っておき、この相場から大きく外れていない業者を選びましょう。

見積もり・契約書は分かりやすいか

提示された見積もりや契約書の分かりやすさは、業者の体質を表します。「仮設工事費、解体・撤去費、廃棄物処理費など、細かい項目に分かれた見やすい見積もりや、明確な契約書を提示する業者を選ぶようにしましょう。追加料金や保証内容も確認してください。

分からない部分は必ず質問し、それに対して誠意のある対応がされることも大切です。

書面によるやり取りが行われるか

契約書や見積書を書面で発行する会社は安心できます。口頭での約束だけでは、あとから言った言わないのトラブルが発生するかもしれません。

契約書はとくに重要です。解体工事は契約書に則って行われるため、書面で残っていないと、食い違いが生じた際に責任の追及ができなくなってしまいます。

スタッフの対応は適切か

現地調査や問い合わせに対応したスタッフの言動も、その業者の体質が見える部分です。時間を守る、分かりやすい説明、丁寧な対応など、信頼できる相手かどうかをしっかり見ておきましょう。

契約を急かす、対応が遅すぎるなど、疑問やストレスを持つような業者はおすすめしません。解体工事は依頼主様が見えないところで進み、業者とは数カ月の付き合いになるものです。安心して任せられる人材がそろっているところを選びましょう。

こまめな連絡が取れるか

担当者との連絡の速度・確実さも重要です。遅くても1営業日以内に連絡が取れる、担当者がいない場合は伝達が確実にされるなど、顧客に対して誠実な対応がされるか確認しましょう。

対応が遅い業者は、緊急で連絡を取りたいときや、トラブル時の反応も遅い可能性があります。顧客の管理徹底や、ひとりひとりの案件に向き合う姿勢が作られていない可能性もあるため、何らかのミスが発生するリスクも高いです。

必要な許可の取得や免許を取得しているか

解体工事では、さまざまな許可や免許が必要です。

  • 建設業許可
  • 解体工事業登録
  • 産業廃棄物収集運搬許可
  • 産業廃棄物処分業許可

これらは一例ですが、解体工事業で必要なものです。業者のホームページを確認し、必要な許可や免許を取得していることを確認しましょう。

加えて、解体工事施工技士をはじめとした個人の資格もあります。これは必ずしも必要なものではありませんが、保有しているスタッフがいる業者だと安心できるでしょう。

廃棄物を正しく処分しているか

解体工事では必ず廃棄物が発生し、それを分別し処理するのは業者の仕事です。この廃棄物の処分には費用がかかるため、利益重視の業者は不法投棄をはじめとした、不正な処理方法を取ってしまいます。

また、ミンチといわれるまとめて解体する方式を取ることも多いです。この解体方法では廃棄物の分別もされず、乱暴な解体が行われるため、騒音や振動の問題が発生する可能性があります。

そのような業者は作業が雑なことや、近隣への配慮をしない可能性が高いです。廃棄物の処分方法や許可を確認し、疑問を持ったら利用は控えましょう。

損害賠償保険に加入しているか

解体工事によって、隣家の壁や塀に傷をつけるなど、なんらかの問題が発生する可能性があります。そうした万が一の場合に対応できる損害賠償保険に加入している業者であることも重視しましょう。

保険未加入の業者の場合、賠償責任を追わずに逃げてしまうことや、依頼主様との間で裁判になる可能性があります。最悪の場合、解体途中で音信不通になり、依頼主様が保証することになる可能性がありますので、損害賠償保険への加入は絶対条件として考えてもよいでしょう。

事前に現場の下見を行うか

見積もりを出す際に、通常の解体業者は現場の下見にやってきます。1時間前後の下見を行い、建物の大きさや構造に加えて、周辺の環境も見て正確な見積もりを出すのが一般的です。この工程を踏む業者の見積もりは精度が高く、安心して任せられる目安になります。

ただし、下見の際に強引に契約・仮契約を迫る業者や、着手金の話をするような場合は要注意です。見積もりの依頼をしたからといって、必ずしも契約しないといけないわけではありません。

【解体工事業者の選び方】あると安心なサービス

解体工事業者を選ぶポイントに加えて、あると安心なサービスも知っておきましょう。工事を安心して任せられる材料になります。

無料の見積もり

解体工事業者選びは、複数の業者の見積もりを見比べる必要があります。見積もり費用や出張費を請求する業者もいますが、無料見積もりサービスをしている業者も多いです。特別な事情がない限りは、無料見積もりを利用した方がコストを抑えられます。

年中無休の電話対応

急な予定変更やトラブルが発生した際に、すぐに連絡が取れることは大きな安心になります。年中無休の電話対応のほか、近年はLINEやチャットでの対応が可能な業者も増えてきました。手軽で身近なツールを使い、スピーディにやり取りできることもお客様との信頼関係を構築するために欠かせません。

明確なマニフェストの提示

マニフェストとは産業廃棄物を適切に管理、処分する過程を記録するシステムです。正しく処理を行う業者であれば、このマニフェストのコピーを作成して、依頼主様に渡します。

マニフェストがない、必要な押印や記載がない業者も少なくありません。契約する前にマニフェストについて確認しておきましょう。

複数の支払い方法

解体工事費用は1,000,000円を超えることも多々あります。支払い方法に選択肢があり、支払い時期もある程度の余裕がある業者だと慌てずに済むでしょう。

支払い方法は現金や振り込みに加えて、クレジットカードにも対応していると便利です。

支払い時期は、一括払いだと解体工事完了後に請求されます。分割払いの場合は解体工事前、解体工事中、解体工事完了後に分かれることが多いですが、業者によって違いがあります。これらの支払い期限も合わせて確認してみましょう。

トラブル時の対応

どんなに気を付けていても思わぬ事故は発生します。そのような場合や、近隣住民からクレームが入った場合なども、業者側が中心になって対応する方針だと依頼主様の負担が減ります。

事故の保証は行っても、近隣への説明や謝罪を行わない業者もいますので、不安な場合は確認してみましょう。

【解体工事業者の選び方】こんな業者は要注意

解体工事業者選びで失敗しないために、危険な業者のタイプも知っておきましょう。

見積もり価格が安すぎる

解体工事の費用はできるだけ抑えたいものです。そのため、どうしても安い業者を選びたくなってしまいますが、相場よりも安すぎる業者を安易に選ぶのはよくありません。費用を抑えるために、安全対策や廃棄物の処理を怠っている可能性があるからです。

さらに、追加費用が発生する可能性もあります。結果的にほかの業者よりも高い料金を請求される可能性もあるため、安さだけで選ばないようにしましょう。

問い合わせへの対応が雑

問い合わせに対して反応が遅い、定型文のような返答しかない場合は、顧客対応に力を入れていない可能性が高いです。見積もり依頼に対しては反応がよくても、それ以外が疎かではあまりよい対応は期待できません。

契約後にはさらに対応が薄くなる可能性もあるため、信頼感を重視したい場合は選ばない方がよいでしょう。

許可や免許、所在地の提示がされていない

解体工事業者が取得している許可や免許は、ホームページに提示してお客様に確認していただけるようにしています。安心してお任せいただくために必要なことです。記載がない業者は、未許可や無免許である可能性があります。

さらに、会社の所在地が記載されていない場合も要注意です。会社の実態がなく、トラブル時に音信不通になるリスクがあります。

契約を急かす、断ると態度が変わる

早くしないと契約できません、今ならサービスしますなど、契約を急がせる業者は注意しましょう。依頼主様の理解や意見を考えず、契約を取ることを重視している可能性が高いからです。

優良な業者は、見積もり書の有効期限は設定しますが、契約を急かすことはありません。内訳や総額、含まれる作業を検討し、納得していただいたうえでご依頼をいただくためです。

【解体工事業者の選び方】業者を決める前にしておくこと

依頼する解体工事業者に目星を付けたら、契約する前に以下のことをしておきましょう。

複数の業者で見積もりを取る

最初から1つの業者に絞ることはせず、複数の業者に同じ条件で見積もりを依頼してください。できるだけ現地調査をしてもらい、より明確な見積もりを出してもらうようにしましょう。

含まれるサービスや追加費用発生の有無など、価格以外の情報も重要です。見積書が曖昧な場合や、説明が不明瞭な場合は別の業者にした方がよいでしょう。

仲介手数料を知っておく

工務店やハウスメーカーに解体の相談をすると、下請けの解体工事業者を紹介されることが多いです。その場合は仲介手数料を取られることがあるため、費用を抑えたい場合は解体工事業者に直接依頼した方がよいです。

仲介手数料の取り扱いは、各業者によって違います。そのため、一概には言えませんが、別の会社を挟むと仲介手数料が発生する可能性があることを知っておきましょう。

不用品を処分しておく

建物の中に家具や家電をはじめとした残留物があると、別途処分料金が発生する場合があります。とくに大型の家電は家電リサイクル法に則った手続きが必要なため、大量に残っていると思わぬ追加料金が発生することも。

残留物の取り扱いを業者に確認し、必要であれば先に処分しておきましょう。

解体工事業者を選ぶときは信頼感とわかりやすさが大切

解体工事業者は広告も多く、ネットの検索でも数多くの候補が上がります。その中から1つに絞るのは難しいですが、信頼感を重視しましょう。費用ももちろん大事ですが、安全で確実に工事が進むことが第一です。

見積もりの分かりやすさや許可・免許の有無、問い合わせ時の対応など、業者の体質を見る要素は多くあります。本記事を参考にして、よい解体工事業者を選んでください。

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